私は,犬を2匹飼っています。
一匹は従順な可愛い子犬で、今目の前にいるのは我が儘で口の達者な大型犬です。


  DOG!  DOG!!   DOG!!!


可能な限りく寛いでいるこの生意気(?)な大型犬はお菓子を食べつつ面食らった顔でこちらを見ている。

「…なにやってるんですか?大佐」
「ぅぐぅ…みっ、見てわからないかね?」

あ。開き直った。

「私には仕事をさぼって尚且つどこかの売店で買ってきたおかしを食べて寛いでいるように見えるのですが」
「まったくもってその通りだ」

完璧開き直ってる…手のかかること。

「…仕事してください」
「やだ。」
「子供ですか。無駄口たたいてないで早く仕事してください」
「いやだ。」
「書類増やしますよ」
「やらないから一緒だもん」

『だもん』って…

「駄々っ子ですか。無理矢理にでもさせますよ」
「逃げてやる」
「逃がしません。何年あなたといると思ってるんですか?」
「絶対逃げてやる」
「言っておきますけど行動パターンはわかってますからね」
「・・・・・・・・」

私はポケットから手帳を取り出し、軽く読み上げる。

「7月2日、ヒトサンヒトマル時(午後1時10分)。喫煙室で部下とトランプ。賭け事をしていたと思われる」

茶色い耳がぴょんとつきでた。

「7月3日、ヒトマルヨンサン時(午前10時43分)。中庭でブラックハヤテを餌づけし、お手をさせようと試みるが失敗」

ぴくりと髪から突き出た犬耳が反応する。

「7月5日、ヒトヒトサンニ時(午前11時32分)。3号棟2階ラウンジで部下(J.H)の恋人を口説く。」

ぴくぴく、と今度は2回動いた。

「7月7日、ヒトヨンマルナナ時(午後2時07分)。裏庭で昼寝。雨が降ってきたのにも気づかず爆睡を続け、部下に運ばれ夏風邪をひく」

今度は耳だけでなくしっぽまで動いた。

「7月8日、つまり昨日。発火布が乾かず火花が出せない。雨も降っていないのに無能と化…」
「中尉!書類はどこだ!?」

私は手帳を閉じて、ゆっくりと言う。

「目の前にありますよ」
「ぁ…」

椅子に座り、うなだれた犬耳はそのままに万年筆をもつ。
それを確認して、私は書類を追加すべくドアを閉めた。

すると足下にすりすりと顔をこすりつけるのはもう一匹の愛犬・ブラックハヤテ。
しゃがみ込んで頭をなでてやれば、嬉しそうにしっぽをふった。

『素直なのも可愛いけれど…あまり従順すぎるのもなんだか…ね』




?あとがき?

大佐は猫ひげも似合いますがなんだか耳は犬耳って感じがします。
おまけつきなので、読んでいただけると狂喜乱舞します。(短いですが。)
クッキーはどうやって入手したのか…おわかりですよね?



?おまけ?

カリカリカリカリ…
かちゃ、ぱたん。

「大佐、差し入れです」
「ありがとう。ところでさっきのことなんだが一番最後のはいらなくないか?」
「息抜きは程々にして早く仕事してください」
「…あ、おいしい…このクッキーどこで買ったんだい?」
「…秘密です」